活動報告
2013年11月07日
第3回『東工大での人材育成チャレンジ:外部リソースを活用した研究者の能力マネジメント向上プログラム』セミナーレポート
大学経営実務講座は、日本の大学経営に関する課題を多岐にわたって取り上げ、実務に携わる皆様と意識の共有化を図ることを目的とし、隔月1回・東京丸の内にて継続的に開催しております。こちらでは、本講座をレポート形式にてご紹介します。
2013/11/5(火)に開催された第3回の大学経営実務講座では、三菱商事株式会社・金融事業本部長時代に東京工業大学大学院 総合理工学研究科(博士課程)にて特任教授を務められたご経験をもつ門多丈先生が、東工大で実施されたプロジェクト・マネジメントコースの紹介を通し研究者の人材育成について講演を行いました。その後は参加者同士による意見交換が行われ、大変有意義な勉強会となりました。以下、トピックスを簡単にお伝えします。 第3回『東工大での人材育成チャレンジ:外部リソースを活用した研究者の能力マネジメント向上プログラム』 講師:門多 丈 氏 今回のメインテーマ 研究者の人材育成について 東工大プロジェクトマネージングコースの理念とコンセプト 今回門多先生よりご紹介頂いた東工大プロジェクトマネージングコースは、平成14年度の 文部科学省の事業(研究拠点形成費等補助金)として措置された「21世紀COE(center of excellence)」の中で採択されたプロジェクトで、専門知識を持つ研究者に+αの能力を養成することを目的にしたものです。最前線で活躍中の現役ビジネスマンを講師として招聘し、コンセプト・カリキュラム作りや運営などもすべて外部へ完全にアウトソーシングするという手法で行われました。人材育成・能力開発の具体的なコンセプトとしては、研究者としての学術レベルにプラスし、研究プロジェクトや事業をマネージできる能力や経営者等とのパートナーシップを築くためのビジネスの知識とコミュニケーション能力を養成することです。 コースの構成・各講義の内容 コースは、「ヴィジョナリー経営」「実践的事業戦略」「テクノロジーマネジメント総論」「Business Communication Skills」の4つで構成されました。門多先生がご担当された「ヴィジョナリー経営」では、第一線の企業経営者やプロフェッショナルをゲスト・スピーカーとして招聘し、リアルビジネスの観点から、変革とリーダーシップの重要性を学べるカリキュラムを構成しました。グローバル化と経営・起業とベンチャーキャピタル・プロジェクトマネジメントなどのテーマを扱い、公開講義としたことで、社会人との交流が深まったともいいます。同じく門多先生がご担当された「実践的事業戦略」では、技術の事業化について実際に演習を行うことを主な目的とし、技術シーズの選定から市場調査、技術精査、企業訪問を経て、実際に事業化計画書、財務諸表、技術説明書を作成します。最終的には事業化計画発表会を開催し、企業人やベンチャーキャピタリスト等を招待し、事業の魅力やプレゼン技術についてアドバイスをもらいます。「テクノロジーマネジメント総論」では知財戦略などをメインに大学・研究所・起業での研究、実用、商品開発の実情と課題などを取り上げました。「Business Communication Skills」では、自身の研究内容を相手の状況を考えて説明できるよう、日本語・英語の両方について訓練を行います。 人材と教育について・本コースの総括 学生が本コースで得たものとしては、視野の拡大と意識の変革・研究とプロジェクトの管理・実社会との接点・コミュニケーション、プレゼンテーション、ネゴシエーションの能力などが挙げられます。また、このコースは材料系の学生さんをメインに開講されたものですが、今後のものづくりの重大要素の一つとして、材料系のポジショニングについても考える結果となったといいます。最後に本コースを通して芽生えた問題意識については、東工大自身が経営の中で、工業大学の中でどのようなポジショニングを取っていくのか、大学自身が本コースをどのように大学自身の戦略やブランドとして活かしていくのかということが挙げられ、参加者の中で議論がなされました。
次回の大学経営実務講座は1/23(木)に開催予定、テーマは「夏季インターシップの有効性-引受元の企業の立場から-」になります。講師は株式会社HCアセットマネジメント株式会社代表取締役社長の森本紀行さんです。皆様のご参加を是非ともお待ちしております!
2013/11/5(火)に開催された第3回の大学経営実務講座では、三菱商事株式会社・金融事業本部長時代に東京工業大学大学院 総合理工学研究科(博士課程)にて特任教授を務められたご経験をもつ門多丈先生が、東工大で実施されたプロジェクト・マネジメントコースの紹介を通し研究者の人材育成について講演を行いました。その後は参加者同士による意見交換が行われ、大変有意義な勉強会となりました。以下、トピックスを簡単にお伝えします。 第3回『東工大での人材育成チャレンジ:外部リソースを活用した研究者の能力マネジメント向上プログラム』 講師:門多 丈 氏 今回のメインテーマ 研究者の人材育成について 東工大プロジェクトマネージングコースの理念とコンセプト 今回門多先生よりご紹介頂いた東工大プロジェクトマネージングコースは、平成14年度の 文部科学省の事業(研究拠点形成費等補助金)として措置された「21世紀COE(center of excellence)」の中で採択されたプロジェクトで、専門知識を持つ研究者に+αの能力を養成することを目的にしたものです。最前線で活躍中の現役ビジネスマンを講師として招聘し、コンセプト・カリキュラム作りや運営などもすべて外部へ完全にアウトソーシングするという手法で行われました。人材育成・能力開発の具体的なコンセプトとしては、研究者としての学術レベルにプラスし、研究プロジェクトや事業をマネージできる能力や経営者等とのパートナーシップを築くためのビジネスの知識とコミュニケーション能力を養成することです。 コースの構成・各講義の内容 コースは、「ヴィジョナリー経営」「実践的事業戦略」「テクノロジーマネジメント総論」「Business Communication Skills」の4つで構成されました。門多先生がご担当された「ヴィジョナリー経営」では、第一線の企業経営者やプロフェッショナルをゲスト・スピーカーとして招聘し、リアルビジネスの観点から、変革とリーダーシップの重要性を学べるカリキュラムを構成しました。グローバル化と経営・起業とベンチャーキャピタル・プロジェクトマネジメントなどのテーマを扱い、公開講義としたことで、社会人との交流が深まったともいいます。同じく門多先生がご担当された「実践的事業戦略」では、技術の事業化について実際に演習を行うことを主な目的とし、技術シーズの選定から市場調査、技術精査、企業訪問を経て、実際に事業化計画書、財務諸表、技術説明書を作成します。最終的には事業化計画発表会を開催し、企業人やベンチャーキャピタリスト等を招待し、事業の魅力やプレゼン技術についてアドバイスをもらいます。「テクノロジーマネジメント総論」では知財戦略などをメインに大学・研究所・起業での研究、実用、商品開発の実情と課題などを取り上げました。「Business Communication Skills」では、自身の研究内容を相手の状況を考えて説明できるよう、日本語・英語の両方について訓練を行います。 人材と教育について・本コースの総括 学生が本コースで得たものとしては、視野の拡大と意識の変革・研究とプロジェクトの管理・実社会との接点・コミュニケーション、プレゼンテーション、ネゴシエーションの能力などが挙げられます。また、このコースは材料系の学生さんをメインに開講されたものですが、今後のものづくりの重大要素の一つとして、材料系のポジショニングについても考える結果となったといいます。最後に本コースを通して芽生えた問題意識については、東工大自身が経営の中で、工業大学の中でどのようなポジショニングを取っていくのか、大学自身が本コースをどのように大学自身の戦略やブランドとして活かしていくのかということが挙げられ、参加者の中で議論がなされました。
次回の大学経営実務講座は1/23(木)に開催予定、テーマは「夏季インターシップの有効性-引受元の企業の立場から-」になります。講師は株式会社HCアセットマネジメント株式会社代表取締役社長の森本紀行さんです。皆様のご参加を是非ともお待ちしております!
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