活動報告
2014年02月01日
大学経営実務講座第4回『夏季インターシップの有効性』セミナーレポート
大学経営実務講座は、グローバル化の進展と少子化が進む昨今、日本の大学経営をどのように再構築していくかをテーマに、実務に携わる皆様と意識の共有化を図ることを目的とし、隔月1回・東京丸の内にて継続的に開催しております。こちらでは、本講座をレポート形式にてご紹介します。
2014/1/23(木)に開催された第4回の大学経営実務講座では、自身の経営する会社であるHCアセットマネジメント株式会社において、過去5年に渡り夏季インターンシップで学生を受け入れてきたご経験を持つ森本紀行氏が、主に中央大学で実施されている金融エコノミストコースでのインターンシップ事例の紹介を通し学生・企業の双方にとって有効なインターンシップのあり方について講演を行いました。その後は参加者同士による意見交換が行われ、大変有意義な勉強会となりました。以下、トピックスを簡単にお伝えします。 第4回『夏季インターシップの有効性-引き受け元の企業の立場から-』 講師:森本 紀行 氏 今回のメインテーマ 学生・企業の双方にとって有効なインターンシップのあり方について。 実績の紹介<中央大学/大妻女子大学短期大学部> 今回森本氏よりご紹介頂いたインターンシップの実例は、2010年から毎年受け入れを行っている中央大学・経済学部金融エコノミストコースのサマー・インターンシップ、および昨年から受け入れを開始した大妻女子大学短期大学部インターンシップの二例です。各々のコンセプト、実習内容、会社としての位置づけについて解説を行いました。中央大学の場合、年に応じてバラつきはありますが、8名×2チームの合計16名が期間をずらし二手に分かれて、5日間の課題解決型インターンシップに取り組みます。プロジェクトは資産運用業務部門の責任者の常務取締役が自らリードし、事前説明会や課題の準備を行います。与えられる課題は「日本型資本市場構造の特徴から注目される投資機会を探す」というようなハードルの高いもので、ある程度の検討項目やシナリオについては担当社員からの指導がありますが、学生さん達は5日間という短い時間で最終日には全役職員の前で成果物を発表するというハードな目標に向かい、チームワークを活かして取り組みます。一方、昨年度より受け入れを開始した大妻女子大学短期大学部のインターンシップは、前述の課題解決型とは違い、総務・庶務部門にて実際の業務(受付・電話対応、ファイリングやセミナー業務)を体験し、業務改善・効率化を考えるということをゴールとし進めていきました。カリキュラムの全く異なる二つのインターンシップの受け入れを通して、企業側にとってのインターンシップとは何かという話題へと続きました。 企業側の利益をどうとらえるか 森本氏は一貫して「インターンシップを社業と位置付けている」と主張し、ゆえに単なる社会貢献活動ではなく、企業側にも何らかの利益がなければ、インターンシップの質の絶えざる改善への誘因が生じないといいます。具体的に考えられる企業の利益として、下記の点について言及しました。 *企業が学生に求めているものを知ってもらう機会 *学生が企業に何を求めているかを知る機会 *企業内のプロジェクトマネジメント研修 (指導を担当した社員のマネジメント力が試される) *学生が消費者の一つの類型ならば、学生を知ることで、市場(顧客)を知ることになる インターンシップの成功要件とは インターンシップの成功要件としては、企業・大学・学生のコミットメントが重要です。企業側は正式な社業として受け入れる万全の準備を提供し、大学側も、例えば個別のカリキュラムの一部として、インターンシップを組み入れ、事前準備をしっかり行っていく体制づくりを行う。学生自身には、自ら学ぶ姿勢や企業(社会)に少しでも貢献したいという態度が必要と定義づけています。最後に実例に関する様々な質問が飛び交い、インターンシップと新卒採用に関する議論まで展開されました。
次回の大学経営実務講座は3/6(木)に開催予定、テーマは「大学の中長期財政計画と資産運用」になります。講師は上智大学特任教授、財務担当理事補佐(元日興アセットマネジメント株式会社 代表取締役社長)の引間雅史先生です。皆様のご参加を是非ともお待ちしております!
2014/1/23(木)に開催された第4回の大学経営実務講座では、自身の経営する会社であるHCアセットマネジメント株式会社において、過去5年に渡り夏季インターンシップで学生を受け入れてきたご経験を持つ森本紀行氏が、主に中央大学で実施されている金融エコノミストコースでのインターンシップ事例の紹介を通し学生・企業の双方にとって有効なインターンシップのあり方について講演を行いました。その後は参加者同士による意見交換が行われ、大変有意義な勉強会となりました。以下、トピックスを簡単にお伝えします。 第4回『夏季インターシップの有効性-引き受け元の企業の立場から-』 講師:森本 紀行 氏 今回のメインテーマ 学生・企業の双方にとって有効なインターンシップのあり方について。 実績の紹介<中央大学/大妻女子大学短期大学部> 今回森本氏よりご紹介頂いたインターンシップの実例は、2010年から毎年受け入れを行っている中央大学・経済学部金融エコノミストコースのサマー・インターンシップ、および昨年から受け入れを開始した大妻女子大学短期大学部インターンシップの二例です。各々のコンセプト、実習内容、会社としての位置づけについて解説を行いました。中央大学の場合、年に応じてバラつきはありますが、8名×2チームの合計16名が期間をずらし二手に分かれて、5日間の課題解決型インターンシップに取り組みます。プロジェクトは資産運用業務部門の責任者の常務取締役が自らリードし、事前説明会や課題の準備を行います。与えられる課題は「日本型資本市場構造の特徴から注目される投資機会を探す」というようなハードルの高いもので、ある程度の検討項目やシナリオについては担当社員からの指導がありますが、学生さん達は5日間という短い時間で最終日には全役職員の前で成果物を発表するというハードな目標に向かい、チームワークを活かして取り組みます。一方、昨年度より受け入れを開始した大妻女子大学短期大学部のインターンシップは、前述の課題解決型とは違い、総務・庶務部門にて実際の業務(受付・電話対応、ファイリングやセミナー業務)を体験し、業務改善・効率化を考えるということをゴールとし進めていきました。カリキュラムの全く異なる二つのインターンシップの受け入れを通して、企業側にとってのインターンシップとは何かという話題へと続きました。 企業側の利益をどうとらえるか 森本氏は一貫して「インターンシップを社業と位置付けている」と主張し、ゆえに単なる社会貢献活動ではなく、企業側にも何らかの利益がなければ、インターンシップの質の絶えざる改善への誘因が生じないといいます。具体的に考えられる企業の利益として、下記の点について言及しました。 *企業が学生に求めているものを知ってもらう機会 *学生が企業に何を求めているかを知る機会 *企業内のプロジェクトマネジメント研修 (指導を担当した社員のマネジメント力が試される) *学生が消費者の一つの類型ならば、学生を知ることで、市場(顧客)を知ることになる インターンシップの成功要件とは インターンシップの成功要件としては、企業・大学・学生のコミットメントが重要です。企業側は正式な社業として受け入れる万全の準備を提供し、大学側も、例えば個別のカリキュラムの一部として、インターンシップを組み入れ、事前準備をしっかり行っていく体制づくりを行う。学生自身には、自ら学ぶ姿勢や企業(社会)に少しでも貢献したいという態度が必要と定義づけています。最後に実例に関する様々な質問が飛び交い、インターンシップと新卒採用に関する議論まで展開されました。
次回の大学経営実務講座は3/6(木)に開催予定、テーマは「大学の中長期財政計画と資産運用」になります。講師は上智大学特任教授、財務担当理事補佐(元日興アセットマネジメント株式会社 代表取締役社長)の引間雅史先生です。皆様のご参加を是非ともお待ちしております!
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